我が家の近くにちょっと大きな川があり、その両岸が遊歩道になっています。朝夕には、ジョギングしたり、散歩する方がたくさんいます。熟年の方が多いのですが、驚くのはその速度ですね。さっさっさっと、足早に歩く様子は、素晴らしいです。そんな時、「日本人は真面目だなあ、」とつくづく思います。健康をとても大切にとらえ、きちんと管理しているんですよね。私も、時間が出来ると、歩くようには考えますが、なかなかできません。最近は寒いのを理由にして、「また今度にしよう」と、さぼってしまいます。

そんな私が先日、珍しく散歩していると、知り合いのご夫婦に出会いました。奥様とは、よくお話をする仲なのですが、ご主人とは本当にお久しぶりでした。お二人は、ご主人が退職後、毎日夕方に2時間ほど歩くのだそうです。結構ゆっくりペースで歩いているのですが、楽しいし、体調がよくなったそうですよ。

途中でご主人の方が、お友達に遭遇し、飲みに行かれた?みたいで、奥さんと私と二人で歩くことになりました。すると、奥様が、「あのね・・・・」と、ご自身の事を話し始めたのです。「初めはあんまり歩きたくなかったのよね。だって、私たち、本当は、あんまり仲良くなかったの。夫は仕事オンリーで、家庭と子供の事は私にまかせっきりだったのよね。会話もないし、話したってお互いに興味ない事ばっかりだしね。」と、話し出したので、びっくりしました。

「子供が巣立って、退職したら熟年離婚しようかななんて、漠然と考えていたくらいなのよ。でもね、定年してから夫が、暇なのかしら、買い物やなんかについてくるようになったのよ。散歩をしようと言い出したのも、夫なの。」

「散歩をしながら、夫がぼそぼそと話をするのよね。もう、いろんな事、子供の時の事、会社の同僚の事、上司だった人の事、実家の事、両親の事、・・・・思い出話っていうのとも違うんだけど・・・・、今までの自分の人生を振り返っているのよ。独り言みたいに話しながら、私に伝えているのよね。」

「毎日、毎日、夫の話を聞いていると、私はこの人の事、あんまり知らなかったんだと思ったの。気づいていなかったと。家の事や、子供の事も考えていたことも知らなかったのよね。驚く事がいっぱいあったの。私の事なんか、興味がないと思っていたのに、私の事もあれこれ、聞いてくるし、結構私の事をわかっていたみたいなの。だから、私も言いたいことが言えるようになった。そんなことがずっと続いてね、なんか、以前の事はどうでもよくなったというか、そんな気持ちになったの。今では、話をするのが楽しいわ。」と、言うのです。

それを聞いて、なんだか私も気持ちが温かくなりました。お互いに、誤解が解けて良かったし、やっぱり話をするのは、大切なんですね。時間が出来て、いっぱい話せてよかったです。いつまでも仲良いご夫婦でいてほしいです。

余談ですが、ご主人は家に帰ると不思議なことに、無口に戻るそうです。やはり、戸外の広々とした場所の方が、気持ちが解放されるのでしょうか?