先日、用事があり、昭島まで行ったのですが、ふと青梅に住んでいる友人を思い出し、コロナが気になりましたが、訪ねてみることにしました。

伺ってみると、友人のご主人のお友達が二人ほどみえていて、バーベキューパーティーの真っ最中でした。

暑い日でしたが、やはり川が近いせいでしょうか、涼しかったです。

ご主人のご友人の一人と話していたのですが、年齢は70歳くらいで、なんとも言えない、人を引き付ける魅力のある男性でした。、

「若い頃は、もてましたでしょう?」と聞くと、「いやあ、そうでもないですよ。ものすごく好きだった女の子を追っかけて、青森の田舎町まで行ったのに、ふられちゃってね、あれは手痛かったですよ。」と笑いながら、言うんです。「その話、聞きたいですね?」と言うと、話してくれました。彼もすこし酔っていたし、話したかったのかな。

彼が大学生の頃の話ですから、二十歳か、二十一歳の頃ですね。アルバイトで、駅中にある売店に缶ジュースや缶ビール、清涼飲料水などを配達する仕事をしていたそうです。

その中の一つの売店に、小柄でとても可愛らしい、女性の店員さんがいたそうです。

最初は挨拶くらいでしたが、会う度に話をするようになり、彼女の魅力にすっかりはまってしまい、彼女の事ばかり考えるようになったそうです。だから、デートをOKしてくれた時は、天にも昇る気持だったとか。

それからは、休みの度に、デートをしたそうです。遊園地に行ったり、映画を見たり、楽しくて楽しくて。でもお金がないので、大学の授業にも出ないで必死に働いて、デート費用を捻出したとか。

しばらくすると、彼女との結婚を考えはじめたんですね。だから、大学をやめて、正規の職業に就くために就活をすることを、彼女に告げたそうです。プロポーズですね。彼女はとてもびっくりしたとか。

彼がびっくりしたのは、そのあと、彼女が突然仕事をやめていなくなってしまったことです。当時は携帯電話なんてないですから、連絡の取りようがなかったんです。

そこで、彼は話に聞いていた、彼女の実家のある青森県の三戸郡にある町に行ってみたそうです。会えるはずもないのですが、ご実家が養鶏をやっていることが分かっていたので、会えちゃったそうです。

なんと、彼女には婚約者がいたんだそうです。なぜ、彼女が東京で働いていたのか、わかりませんが、彼女は東京できっと寂しかったんですよ。だから、彼とお付き合いをしたけれど、プロポーズされて、びっくりしちゃったんですね。

そこからが、聞いていて、可笑しかったんですが、彼女はなんと彼を婚約者に紹介したんですよ。婚約者は農家の青年だったそうです。一緒に飲んで話したそうです。普通なら修羅場?なのに、和気あいあいと。

彼が言うには、その婚約者の男性がとてもとてもいい人で、素朴で人を疑わない方で、彼はその婚約者に惚れちゃったんだそうです。「彼女があいつにすごく惚れてるのが、わかったんですよ。あいつなら、彼女を幸せにするだろうなと思ったんです。歳はあんまり変わらなかったけれど、農場を切り盛りしていて、しっかりしてるっていうか、僕よりずっと大人だったですよ。」

だから、青森から戻って来る時、悲しくはなかったそうです。吹っ切れたんですかね。彼女に対する怒りがなかったというのは、彼女を本当に愛していたんですね。

現実の東京で、彼を待っていたのは、大学の留年決定と借金だったそうですよ。でも、忘れられないいい思い出なんですね。