先日、ある女性の花嫁衣装の着付けのお手伝いをさせて戴きました。

彼女は、ある神社で結婚式を挙げたのですが、体調が悪くて結婚式に出席できないおばあちゃまの為に、家で着付けをして、花嫁姿を見せようと計画したんです。

幼い時からご両親がお仕事で忙しく、彼女は、おばあちゃん子だったんですね。学校から帰ると、おばあちゃんが作ったおやつを食べながら、いろんなお話をしたそうです。そんな大好きなおばあちゃんに花嫁姿をどうしても見てもらいたかったんですね。

その日は、おばあちゃんも入院している病院から少しの間、帰宅されていました。孫娘の花嫁姿を見るのをずっと楽しみにされていたそうです。着付けの仕上がりを待っている間「見るまでは死なないぞって、今日まで頑張ったんだよ」と、おどけて言うお顔は、嬉しさでいっぱいでした。

そこに、花嫁登場!! 一瞬の沈黙の後、おばあちゃまの目から涙が溢れました。

白無垢の花嫁姿の彼女は、本当に美しかったです。おばあちゃまの感動のうれし涙につられて花嫁もご両親も、その場にいたみんなが泣きました。

その後は、お互いに涙でメイクの崩れた顔を見て大笑いしましたけど。

そして、花嫁が家から出て車に乗る時でした。近所から人がたくさん集まってきて、口々に「綺麗ねえ。おめでとう」と、言うのです。

でも、私がびっくりしたのは、小さな女の子や中学生ぐらいの女の子が、皆一様に驚いたように無言で、うっとりと白無垢の花嫁を見つめていた事でした。初めて見るのでしょう?うっとりと、花嫁の姿を目で追いかけているのです。

今は、花嫁姿を見られるのは、普通、結婚式場の中だけですものね。こんな風に、昔みたいに家で着付けて出かけるのも好いですね。

私は、いろいろ反論されるかもしれないけれど、やっぱり日本の白無垢・綿帽子の花嫁姿は、世界一美しいと思います。どんな豪華なウェディングドレスにも負けない美しさと気品があります。

うっとりとみていた女の子たちは、結婚に憬れ、将来は、きっと白無垢の花嫁姿になるに違いありませんね。