朝日新聞の土曜日「be」に、直木賞作家の小池真理子さんが「月夜の森の梟」というエッセーを載せているんです。
このエッセーを毎週読んでいるのですが、彼女の夫の藤田宜永さんへの思いが綴られていて、本当に深く愛していたことが感じられるのです。
夫婦というよりも、双子のように、精神的に一体化しているように思えるのです。
今日の内容は、藤田さんがかなりのヘビースモーカーだったことでした。1日にたばこ3箱も吸っていたそうです。
そして医者嫌い。口癖のように、「なるようになるさ。肺がんになって死んでも仕方がないさ、」と、言うような事を言っていたそうです。
そして現実に肺がんになってしまい、発見されたときはステージ4だったそうです。
そこから藤田さんは、生きたいと思うようになるんです。彼女も必死に生きようとする夫を何とか助けたい思いで日々を生きるのです。
一体化しているからか、客観視が出来ないんですね。
普通は「なぜたばこをやめなかったのか、やめさせなかったのか?」、とか、「なぜ検査を受けなかったのか」とか、彼を絶対に思いますよね。
心の中で責めたりしますよね? でも、自分が自分を責めないように、彼女も夫を責めないんです。
何故なら、夫は自分だからなんですね。
ご主人が亡くなられて、2回目の冬を迎えている今も、彼女の心の中は、藤田宜永さんでいっぱいなんですね。
こんなに、愛し愛されてみたいなと思います。